時計を見てみると、もうすぐ集合の時間をさしていた。

様々な店を見つけては駆け出すを必死に追いかけ、確保した俺はまたハルヒの電話ラッシュに遭わない為、すぐに戻ることにした。

商店街を出ようとすると、すぐ先は土砂降りとなっていた。

アーケードがあったので気付かなかったが、少し前から降り始めたらしい。

天気予報で雨だと聞いていた俺は持ってきていた傘を出した。

しかし、二人は一向に出す気配が無い。

「…ところで、傘は?」

「…ない」

「あははー、忘れたv」

…しょうがない。

いかに普通とかけはなれた人間であろうと、宇宙人であろうと、異世界人であろうと、女の子は女の子だ。

俺は、二人に傘を貸してやる事にした。

どちらかと相合傘、というのも憧れたが、女の子一人ずぶ濡れというのも感じが悪いし、魂胆が丸見えなのでやめておこう。

無言な長門と、借りるのを遠慮したに傘を押し付け、俺は視界を守る為に目の上に手で影を作りながら、アーケードを出た。

仕方なく傘をさして付いてきた二人と待ち合わせ場所に帰ってくると、そちらはそちらで、ハルヒと朝比奈さんが傘をさし、古泉がずぶ濡れ状態となっていた。

そちらも傘は古泉持参だという。

女というものは、女だというだけで男より優位に立つものらしい。

まあ傘を貸したのは俺の一存だが。

ハルヒは俺を見ると、

「ずぶ濡れなんて、みっともないわね。傘持ってきてないの?」

と、のたもうた。

お前も持ってきていないだろうが。

傘は二人に貸したのだと言うと、

「バカね、そういう事を見越してあらかじめ二本持ってるのは常識でしょ?」

と返す。

どこの常識だ。

紳士大国のイギリスなどなら有り得るかもしれないが、ここは日本だぞ。



その後、くじ引きをしようと言い出したハルヒを、俺達の体を気遣ってくれた朝比奈さんとが必死に止めてくれたお陰で、ずぶ濡れでの巡回は免れた。

ヤバい、ホントに風邪引きそうだ。

冬真っ盛りなこの時期にずぶ濡れという状態で、俺も古泉も体温がどんどん奪われていくのを感じていたが、それでも笑みを絶やさない古泉には心底、呆れた。

困ったように眉尻を下げてはいるが、口角は全く下がらない。なんかまだ余裕そうだ。

それに少し悔しさを感じつつ、まさか俺は明日の貴重な時間までも一日中ベッドの上で暮らすという形で潰さなければならないのか、と嫌な予感に襲われた。

人間、こういう嫌な予感は当たるモンなんだよな…





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土曜パトです。
正直なところ、この話に繋ぎたくて前話を金曜にしました。
きっと傘持ってないって言われたらこうするだろうな、二人とも。と思いながらネタ考えましたv
ヒロインと組ませるメンバーを誰にしようか悩みに悩み、やっぱキョンの一人称がないと小説成り立たないし、キョンは入れないとヤバイかな、とか、古泉は絶対入れたいな、とか、長門入れたら面白そうだな、とか、キョン抜きの怒ってるハルヒとかキョンと一緒に組めて幸せそうなハルヒとか書きたいな、とか、あれ、みくるちゃん空気だな、とか考えました。(ちょっと待て一部おかしい)
古泉を諦めたのは苦渋の決断でした…(泣)
とにかく、SOS団は誰を書いても楽しい!!個性豊かだしv
みくるちゃんもですよ、勿論;;