「麦わらは見つかったか!!?」
「いや、見失っちまった!」
「…ん?なんだ、これ」
海兵が紙を広げると、それはこの町の地図だった。
「おいナミ、この辺りか?」
「うん、いい感じ」
ナミがあたりを見回して、見つかりにくく、且つ直ぐに出航できるかどうかを確認する。
ロビンは頬杖をついて柵に寄りかかっている。
「それにしても大丈夫かしら」
「何が?」
「絵描きさん、地図をそのまま握って行っちゃったけど」
「が地図を落とすってか?」
「ははっ、まさかそんな、子供じゃあるまいし」
その、まさかだったり。
「なァおい、さっきの丘見えたか??あそこなら見晴らしいいから船見つかるかもしんねェぞ!」
「そんな見晴らしいいとこ行ったら、直ぐに海軍に見つかっちゃうでしょ!その上、目の前には海軍支部があるんだから!!」
「へ〜、いいトコ陣取ってんなァ」
「感心すな!!」
見晴らしの良い丘に未練を残すルフィを引っ張って、は海岸への道を急いだ。
(…地図が海軍の手に渡ってるとか、そんなことは…まさかね…)
その、まさかだったり。
再び戻ってメリー号。
数分前と打って変わって賑やかである。
「麦わらの船だ!!沈めろ!!!」
「オイオイオイ、海軍じゃねェかァ!!?」
「船を傷つけられちゃ堪らねェ!陸へ出るぞ!!」
「おう!!」
「っなんで、海軍がここに来るのよ〜!??」
サンジとゾロとロビンが陸に上がって迎え撃ち、ナミとウソップとチョッパーは震え上がって観戦という戦闘態勢で、数分後にはカタがついた。
海軍が一通り倒されたのを確認して、ナミが指示を出す。
「戻って報告でもされたら面倒だわ、縛ってそこら辺に放り出しとくのよ!!」
「あ〜い、ナミさんvv」
三人で手際よく海兵を縛り上げていくと、海兵の一人のポケットから紙がはらりと落ちた。
それをゾロが見つける。
「コイツは…!!」
「あら、やっぱり」
三人はさっさと海兵を捨ててきて、残る三人に状況を説明する。
「まさかホントに落とすとは;;」
「ちゃん、今頃迷って寂しくて泣いてるに違いねェ!!!」
「いや、ルフィと一緒だろうから、それはないだろ」
「とルフィ、帰ってこれないのか!!?」
「難しいわね、でもちょっと待って。ルフィはともかく、ならとりあえずの判断はつくだろうから…サンジくん、海岸沿いに町を廻ってみて!ならきっとそうするだろうから」
「了解しました!」
「ハーラ減ったなァ…」
「まだ昼食から何時間も経ってないけど」
「そろそろおやつの時間だなァ…」
試しにが時計を見てみると、まさしく2時57分を指していた。
恐るべし、野生の体内時計。
ふと、は3時どきの船員の顔を思い出した。
船長の魔の手からおやつを死守せんとする男性陣。
それとはまるで別世界のように談笑しながらおやつを食べる女性陣。
今はあんなに賑やかだけれど…
「…ねェ、ルフィ?」
「何だ〜?」
「それぞれの夢が叶ったら、皆ばらばらになっちゃうのかな」
ふと、チョッパーやウソップなど、夢の完成が曖昧な面子はどうするのだろうと、疑問に思ってみたり。
しかし、それ以外のメンバーは明確な目標があり、いつかはそれを達成するのだろう。
でも、その後は?
「皆船、降りるのかな…」
「…」
ルフィは頭の後ろに手を組んで、と同じく遠い日への想像を膨らませる。
「…でもよ、」
くるっとルフィはの方を振り返って笑ってみせた。
「お前はおれの夢が叶うまでおれの傍にいるだろ?」
「そりゃ、私の夢は…」
新しい時代の幕開けを見ることだから。
そう言うと、ルフィはそうじゃない、と首を振った。
「夢なんか関係なくても、おれの傍にいろよな!そんで、夢をかなえたらずっと一緒にいるんだ!今もだけどな」
満面の笑顔で言う。
「だからそれまで、絶対に死ぬんじゃねェぞ!!」
「それってもしかして…」
まるで…
「…おっ、サンジ〜!!」
「ああっ、ちゃん、ご無事でしたか??」
「おいサンジ、帰ったらすぐおやつだ!!」
「てめェが勝手に決めんじゃねェよ」
「だって、もう3時過ぎただろ??」
「あーハイハイ、船に帰ったらな」
「おかえり、、ルフィ!!」
「おう、ただいまチョッパー!!」
「ったく、あんた達ったら、心配かけるだけじゃ飽き足らず、厄介事までよこして!!」
「何のことだ??」
「…あら、絵描きさん、ぼーっとしちゃって。どうしたの?」
「…へ?」
「この顔は…ははーん、いいコトあったわね??」
「なっっ!!?べ、別に何もっっ!!!」
「そんな顔で言ったって、説得力無いわよ〜?」
「絵描きさん、まるで茹でたタコみたいね」
「何も無いですっっ!!何も!!」
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タイトルのわりに、本題は一瞬だけでした;;
因みに「かなえる」は漢字だと何か受身な感じがして、平仮名の方が自分で叶える感じ?がしたのでわざと平仮名にしてみました。(どうでもいいわ)
平仮名で「かなえる」ってなんか良くないですか??
因みに×2、この話は一応まだヒロインとルフィくっついてない設定で。
いきなりプロポーズしちゃった船長さんです。
ところで、読者の立場でしかいられない私達としては、皆の夢が叶う瞬間とはやっぱり最終巻のことなんでしょうね〜…
最終巻なんて、怖すぎる〜(泣)
最終巻なんて来て欲しくないけど、来るならやっぱり皆の夢が叶うとこまでは描いて欲しいですよね。
夢が叶った後のことも気になります。是非、みんな一度里帰りしなくては!(ロビンどうしよう…;;)
どんなに無駄に長くてもいいので、こち亀くらい巻数伸ばして欲しいというのが水乃としては尾田先生への一番の願いです。
世の中には、無駄に長いくらいなら、さっさと終わらせろという意見もありますがねぇ…(くすん)
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