新年遊び初め!
日差しはぽかぽか。
あまりの天気の良好さに、海鳥もウトウトとするここは、グランドラインのある海域。
「は〜、気持ちいいわねェ。思わずログポースを確認するのも忘れて寝ちゃいたいくらい」
「島が近いわけでもないのに、これだけ安定した高気圧にぶつかるなんて、珍しいものね」
「はーい、お待ちっ!おやつ貰ってきたよっ!」
「ありがと。気が利くじゃない?」
「へへっ」
さあ食べようとしたときに、伝書鳥がナミの肩にやって来た。
「なァに?新聞ならこないだ断ったでしょ?」
「…違うみたいよ、航海士さん」
伝書鳥がくちばしに咥えていたのはギッシリと字が書き込まれた紙切れだった。
「手紙?かな。何、なに??」
「アンタ、もしこの手紙よんだら金取るとか言ったらブン殴るからね?」
ギロッと睨みを効かせると、伝書鳥は必死で首を左右に振った。
タダでいいのならと、ナミが手紙を受け取る。
すると、面白い事の匂いを嗅ぎ取ったか、ルフィがナミの手紙に気付いた。
「何だ〜ナミ〜、その紙切れは〜ぁ?」
「文字がちっちゃくて読みづらいわね…なんか普通の手紙みたいだけど…」
興味津々なルフィと紙切れと顔を付き合わせるナミの様子に、なんだなんだと男性陣も集まってくる。
どうせならと、ナミは船員全体が聞こえるように大きな声で読み始めた。
「…『はァーい!こんにちは。この海域に偶然にしろ予定にしろ訪れた皆さん!!』」
「「「「「「こんにちはー」」」」」」(ロビンとナミ以外)
ナミ「きっちり返事すなっっ!!!
…『あなた方は超・ラッキー!!
何故ならばこの海域は、その名を知る者なら誰でも憧れる、
かの有名な"ニューイヤー・ゲート"だからです!』…」
ルフィ「何だそりゃ?」
チョッパー「お、おれ達ラッキーなのか!!?」
ウソップ「有名なのか??」
ゾロ「の、わりに聞いたことねェな…」
サンジ「珍しい魚でもいんのか?」
ヒロイン「何か凄いことでも起きるのかなぁ??」
ナ「聞いたことないわ…」
船員ほぼ全員が頭を捻る隣で、ロビンが相応の反応を見せた。
「…"ニューイヤー・ゲート"ですって…?まさか本当にそんなものが…」
「知ってるの?ロビン」
「ええ、まあ。でも、私が今まで行った所では、全員が伝説と信じて疑わない海域なのに…」
伝説という言葉に反応し、とルフィが身を乗り出した。
「何??どんな海域なのっ、それ!!」
「それって、幻のすンげ〜ェ海なのか!!?」
「ごめんなさい、詳しくは知らないの」
「…大丈夫みたいよ、ここに書いてある」
ナミがもう一度手紙に意識を戻し、続きを読み始めた。
船員は興味津々で静かに聞き入った。
「…『知らない人のために、まず簡単な説明をいたしましょう。
まず"ニューイヤー・ゲート"とは、その名の通り、"新年の入り口"。
この海域は、新年にしか効力を発揮いたしません。
名しか知られていないような地域では伝説と語り継がれる所が多いと聞き及びますが、
その所以は、まずこの海域を発見することすら難しいところにあるのです』
…成程ね。それにしても一定期間しか効力を発揮しない海域なんて…!そんなことがあるの!?」
もはや、流石グランドラインとしか言いようがない。
あまりに非常識な話に、全員の好奇心は擽られまくりだ。
ル「ナミ!次、次っ!!」
「ああ、ハイハイ、次は…
…『さてこんな摩訶不思議海域の効力とは……
…置いときまして、』」
ウ・サ・ゾ「「「…って、置いとくのかよっっ!!!」」」
テンションが上がり、思わずノリ突っ込みが冴えてしまう。
気を取り直しまして続きへ。
「…『この効力を上手く利用できないものかと考えましたのが、
天才科学者・リード=マック、…かくいう私でありまして』」
同上「「「…って、お前かよっっ!!!」」」
「…『皆さんにこの私の画期的、且つ天才的な発明を提案したいと思います。
まずお手元の伝書鳥から、ある"道具"を受け取ってください』」
「道具?」
が手を出すと、伝書鳥がバッグからある"道具"を出した。
ヒ「んー…これは…」
ル「何だ!!?何が出たんだハトの腹から!!」
チ「腹から出たのか!!?」
ウ「出るかーっっ!!!バッグからだ、バッグから!!」
ヒ「…紙と棒と糸…??」
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