凧揚げ編・前半戦







ヒ「紙と棒と糸…?」

ゾ「それで何しろってんだ??」

サ「まだ何か出してるぞ。…鋏と糊?」

ロ「工作でもさせるのかしら…」

全く手紙の意図が読み取れず、一同が唸る。

ウ「おーい、ナミ〜!続き読んでくれ〜」

ナ「それが…、ここで終わっちゃってるのよね…」

ナミが手紙を裏表ひっくり返し、続きの文を探そうとするが、それ以上は何も書いていないようだった。

ウ「じゃあ、どうしろってんだよ!!」

ナ「私が知るわけないでしょ!!…って何?続き??」

ツンツンと伝書鳥がナミをつつくくちばしには、また手紙が咥えられていた。

「…『これから始まりますのは、
   新年といったらやっぱりこれ!!
   "凧揚げ大会"!!』」

ゾ「凧揚げだァ?」

ル「おれはタコは揚げても焼いてもすきだー!!」

サ「阿保か。そのタコじゃねェよ」

チ「凧揚げって何だ??」

ウ「やっぱりこれ!、と言われても、新年に必ずやるような地域は限られてんだろうよ」

ロ「東の海イーストブルーの、ごく限られた地域でしか知られていない遊びだと、聞いたことがあるけれど…」

ヒ「でも渡されたのは紙と棒と糸しかないよ??」

「…『ルールは簡単!これからこの凧揚げ大会も含めて5つのゲームをやってもらうよ!!
   まずこの凧揚げ大会では、二人一組作って一から凧をつくり、一番素早く、上手く飛ばせた人が勝ち!!
   そうそう、書き忘れてたけど、この5つの大会を終えた時の一番の成績優秀者には豪華景品があるよ〜』」

ナ「豪華景品ですって!!?金目のものに違いないわっっ」

ナミは目をベリーにして、取らぬ狸の皮算用モードに入っている。

ナ「…と、言っても、あと四つの競技が何だか分からないわけだし…
  何より無駄に体力消費するのも馬鹿馬鹿しいわね。…ロビン、あんたどうする?」

ロ「私は見ているわ」

ナ「そうね…決めたっ!!私も傍観者決定!!」

ヒ「え、ナミでないの??景品は?」

ナ「勿論手に入れるわよ。ってコトで、よろしくっ!!」

ヒ「え、ええっっ!!?」

ナミにぽむんと肩を叩かれ、甲板へ押し出される。

男性陣のボルテージが一気に上がった。

ナ「さーて、これで二人一組組めるわね」

ル「、出んのかー!!?んじゃおれと組もう!!」

サ「なァに言ってやがるクソゴムっ!…ちゃん、あんなので無くおれと!!」

ゾ「あんなグル眉と組んだら一生後悔するぜ?おれと組んどけ」

チ「おれ、と一緒に凧揚げしてェ!!」

ウ「このキャプテーン・ウソップ様についてくれば、楽勝だぜ!!」

ヒ「へっ!?なんで皆わらわらと…」

ギュウギュウに押し寿司状態になっているを見て、椅子に座って傍観していたナミとロビンはご満悦顔だ。

「やっぱり、紅一点が交わると、盛り上がるわね〜v」

「絵描きさん、モテモテね」

「もっ、モテモテって…;;そんなコト言ってないで助けて〜;;」

「それもそうね、こんなんじゃ、いつまで経っても始まらないわ」

ナミがそういって立ち上がると、手を口に当てた。

ナ「静まんなさい、あんた達!!これからチーム編成するわよ〜!」

ル「え〜、ナミがチーム決めんのかァ?」

サ「ナミさんっv是非おれとvv」

ナ「あたしは出ないって言ってんでしょ!!」

ナミはそう言うと、一同をぐるりと眺めてからもう一度口を開いた。

ナ「じゃ、このままの立ち位置で端から組んでくわ。
  まずルフィ・チョッパー組。次にサンジくん・ゾロ組。そして最後に・ウソップ組ね!!」

ル「おっ、チョッパー!頑張ろうな!!」

チ「お、おう!!」

サ「よりによっててめェかよ、クソマリモ!!」

ゾ「てめェなんざこっちから願い下げだ、エロコック!!」

ヒ「ウソップ器用だし、上手くいきそうだねv」

ウ「あったりめェだ!!なんせおれは、勇敢なる海の戦士、キャプテーン・ウソップ様だからなっ!!」

チーム配分が決まったところで、ロビンがそれぞれに材料を配る。

いつの間にかナミの首元にはホイッスルが。

ナ「…じゃっ、いくわよ〜!」

ピイィィー――!!!


→Next