凧揚げ編・後半戦
ウ「さァて、どんな絵柄にすっかなァ…」
ヒ「パレット型がいいなぁ…v」
ウ「おっ、いいんじゃねェか?それなら結構面積があるし、よく飛ぶハズだ!!」
因みに簡単且つよく飛ぶハズである、正方形の紙をそのまま使うという案は、ナミに第一段階で却下された。
辺りを見回すと、ルフィとチョッパーは麦わら帽子、サンジとゾロは刀の形に切り取り始めていた。
ヒ「…ていうか、刀って…;;」
サ「コラマリモ!!こんな細長いんじゃ、飛ぶわけねェだろうがよ!!阿保かてめェ!!」
ゾ「あァ!!?ケンカ売ってんのかてめェは?飛ぶに決まってんだろ、凧なんだからよ!」
サ「凧って名前付けりゃ、何でも飛ぶとでも思ってんのか!!」
…喧騒を聞く限り、ゾロの独断らしい。
そうこうする間に、・ウソップ組は凧を作り上げた。
ロ「あら、素敵」
ナ「へぇ、流石に上手いわね、ウソップ」
ウ「へへっ、おれにかかりゃァ、楽勝よ!!
よっしゃ、飛ばしにいくぜ、」
ヒ「うん!」
…と、意気込んで凧糸を引っ張って走っただったが……
グイッッ
ヒ「…へ?」
グイッッ
ウ「どうした??」
ヒ「な、なんか、動かない;;」
ウ「そんなわけ…って、なんじゃありゃァ!!?」
ウソップの視線の先に目を向けると、そこにはが引っ張っているわけでもないのに空中でピタリと止まってしまっている凧。
ウ「こ、これがこの海域の効力だってのか…??」
ヒ「ん…!?ちょっと待って、ウソップ!!」
がそそくさとバケツを持ってきて、水を思い切り上空にぶちまけると、キラキラと光るものが。
ナ「これは…!!」
ロ「糸ね…」
ナ「だって、この辺りには引っ掛けるような島も岩も無いのにどうやって…!!?」
奇怪な景色に呆気に取られていると、ルフィ組とサンジ組も凧を作り上げた。
ル「出来たぞー!!って、なんだァ!!?空がキラキラ光ってんぞ??」
チ「違うよルフィ。あれは糸に水が掛かって光ってるんだ!!」
サ「糸だと!?そんなもんがあったら、凧がからまっちまうじゃねェか!」
ゾ「んなモン、切っちまえばいいだろうが」
と、ゾロが刀を抜こうとすると、ロビンが手を生やしてそれを制した。
「何しやがる!」
ロ「ちょっと待って…ここに注意書きがあるわ」
ナ「えーと…『因みにこの糸はこの海域から発生したもので、科学者の間でも格好の研究対象となっており、非常に貴重なものである。
ので、これを切った者にはそれに見合う賠償請求をするものとする』
――ですって。
……賠償請求でもされてみなさい?あんた達。私が片っ端から海の底に叩き込んでやるわよ!!」
「「「「「「ハイ。気をつけます」」」」」」(ナミ・ロビン以外)
しかし、そうなると。
ウ「どうすりゃいいんだ??これじゃ、凧は飛ばせねェ」
ヒ「この手紙の人も無茶言うなぁ;;」
うーん?と頭を抱えると、サンジが上空を見て何か閃いたように立ち上がった。
サ「…ちょっと待て。この糸、この辺りの高さにしか張ってねェんじゃねェか…?」
そう言って、糸を避けつつ見張り台に上るとまさにサンジの予想したとおりだった。
サ「おい!この糸、この辺りの高さには張ってねェぞ!!」
ウ「本当か!?」
ヒ「でも、その高さには走れるだけの足場は…」
そう言っていると、ルフィが見張り台の上に上ってきた。
ル「んん〜??何も見えねェぞ?」
サ「おーい、チョッパー!水だ!!」
チ「おう!」
チョッパーがバケツ一杯の水を上空にぶちまけると、糸がまたはっきり見えるようになった。
ル「うっはー!!乗れんのかァ!?これ!!」
ルフィが目をキラキラさせて足を糸の上に乗せると、よたよたと、そのまま少し先まで歩いていった。
ゾ「歩けるには歩けるが、とても走れそうじゃねェな」
サ「ま、マリモマンにはムリだろうよ」
ゾ「んだと!!?」
ル「お!いいこと思いついたぞ、チョッパー!!」
ルフィはそう言うと凧糸を体に巻き、少し離れた見張り台へ手を伸ばすと、そのまま吹っ飛んだ。
ウ「その手があったか!!」
サ「でもちょっと速過ぎやしねェか…?」
ル「しししっ、どうだ!よく飛んだだろ!!」
そう得意げに言うルフィの後ろに落ちた凧は、サンジの心配通り、風の強さに耐え切れず穴が開きまくっていた。
ル「何でだー!!?タコーっっ!!?」
チ「タコーっっ!!!」
ゾ「当たり前だろが、阿保っっ!!!」
ロ「これは…失格ね」
ナ「まったくもう、しょうの無い…」
ナミとロビンは呆れ顔。
伝書鳥がレッドカードを出して見せた。
サ「よっしゃ、んじゃ気を取り直していくとするか」
サンジが両手を打ち合わせてから凧糸を持ち、糸の上を出来るだけ速く走り回る。
しかし。
サ「…予想はしてたが…」
風の抵抗0なゾロ特製刀型凧は、ずりずりとサンジの後をついてくるだけ。
サ「こんな手ごたえのねェ凧なんかあるかァ!!!」
ゾ「てめェが下手なだけだろうが。ちょっと貸してみろ」
サ「んだと!?誰がてめェなんかに任せられるかよ!!」
ゾ「揚げられねェ癖にゴチャゴチャ騒いでんじゃねェ!!」
二人が騒ぎ始めると、伝書鳥がレッドカードをあげた。
ピイィィー!!
ナ「はーい、失格ね」
ヒ「…あ、私達、不戦勝だ」
ウ「ま、おれにかかりゃァこんなモンだぜ!」
チ「うお、すげェなー!!ウソップ!!」
ヒ「いや、何もしてないし」
もう何と言っていいのやら。
そんなこんなで第一回戦・終了。
ロ「優勝者には、10ポイント与えられるらしいわ」
ナ「じゃ、に10ポイント、ウソップに10ポイントね。
快調じゃなァいvこの調子で頑張ってねvv」
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