コマ回し編






ヒ「あ…直った、声」

ナ「ホントに、何でもアリね。グランドラインって」

チ「やっぱり自分の声が一番だァ、おれ」

一同は息をつくと、程なくして次の手紙が届けられる。

そして手渡されたのは、

ヒ「あ、コマだ」

ウ「おっ、コマなら村でよくやってたから、得意中の得意だぜ!」

ナ「『続きましては、これまたまたまた、新年恒例"こま回し大会"!!
   ルールはそのまま!コマをぶつけ合って長く廻り続けたコマが勝ち!!
   これも二人一組で!というか寧ろ、全部二人一組でやってくれ!!』」

ロ「初めからそう言えばいいのに」

ということで、ペアは

ルフィ・サンジ組、・チョッパー組、ウソップ・ゾロ組となった。

ナ「もうちゃっちゃと始めるわよー!」

ピイィィー!!

ル「これどうやんだァ??」

サ「コマの回し方も知らねェのかよ。いいか?こうやって糸巻いて、こう持つ。んで、手首にスナップ効かせて…」

ブンッ!

ル「うほあァ!!すっげェ〜!!!」

チ「おれ、やったことねェんだけど…」

ヒ「そっか、じゃあ私やるよ。小さい頃よくやってたし」

ブンッ!!

チ「すげェ〜!!なァ!!今度教えてくれ!」

ヒ「ふふっ、いいわよ」

チョッパーは目をキラキラと輝かせてコマを見詰めている。

ウ「これにおいちゃァ、おれの右に出るヤツは中々いねェぜ!!」

ゾ「へェ、やってみろよ」

ウ「ふっふーん、見て驚け!!」

そう自慢げに言うと、ウソップはサンジ・ルフィ組のコマの前に立つと、そこに向かってコマを放り投げた。

ル「あっ、ウソップ!!ぶつけるなんて、お前、サイテーだな!!」

ゾ「お前、ルール聞いてなかったのかよ;;」

サ「いや、ちょっと待て!ぶつかったんじゃねェ!!上に乗ってる!!」

正しく言えば、サンジ達のコマがウソップ達のコマの上に乗っているのだ。

中々の出来に、ウソップは満足げに胸を張る。

ウ「これぞ、キャプテン・ウソップ様、最終奥義よ!!」

サ「これってまさか、こいつらのコマがやられたら、諸共に終わっちまうんじゃねェか!!?」

ウ「その通ーり!!」

ル「何ーィ!!?ずりィぞ、ウソップ!!」

ゾ「そういうトコはホント、小賢しいなお前」

どんな形にせよ、これで一通りコマが出揃ったわけだが、ここで異変が。

サ「ん…!?おい、コマの回り、さっきより早くなってねェか?」

ヒ「あ、ホントだ。柄がさっきより早く動いてる!」

ゾ「…と思ったら、なんかこの上のだけのろいぜ?」

そう言う間にもコマはそれぞれ、変幻自在に廻るスピードを変えていく。

その異変は、コマだけではなかった。

ロ「航海士さん、あれ…!」

ナ「何よ、あれ…!!雲が…!!?」

ナミ達が空を見上げると、雲によって流れるスピードが格段に違うのが分かる。

ナ「どうなってんの…!!?」

ロ「恐らく、時間の流れが歪んでいるんだわ…」

つまり、コマが早く廻るほど攻撃力が勝るが、寿命は短くなる。

遅く廻るほど攻撃されるとひとたまりもないが、寿命は長くなる、ということらしい。

サ「つっても、わかったところでどうしようもねェけどな、おれ達の場合」

ル「サンジー、コマで攻撃しねェのか?」

サ「出来るかァ!!!」

ヒ「相手が遅くなって、こっちが速くなった所が狙い目ね…でもあっちの方が重いから、それでも難しいなぁ;;」

ゾ「お、こっちのが速くなったんじゃねェか?」

ウ「よっしゃ、攻撃だァ!!」

ヒ「えーっっ!!?」

ガツーン…!!

チ「あ、やられちまった」

ヒ「あーあ」

サ「てめェこのクソっ鼻!!攻撃するときにコマ落としていきやがったな!!」

ル「きたねェぞ!!!」

ウ「戦略と言え、戦略と!!」

ロ「…勝負がついたようね」

ナ「〜?勝ったんでしょうねェ??」

ヒ「…ごめんなさいっっ;;」

こうして、第四回戦までを終えたところで、

ゾロが70ポイントでトップ、次いでウソップ50ポイント、三位がルフィの30ポイント、

はといえば、未だ10ポイントでビリであった。

実の所、次で勝ってもの優勝は不可能である。

そんなこんななニューイヤー・ゲート。結果やいかに!?


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