羽子板編・前半戦






ナ「次で最後ね」

ヒ「長かったぁ〜;;」

に手渡されたのは、特殊な形の板と羽根。さらに白いテープ。

ロ「あら、羽子板ね」

ヒ「テープって、何に使うの??」

ナ「『皆様お待ちかね、今日最後にお送りしますのは、これまたまたまたまた新年恒例"羽子板大会"!!
   まずお渡ししたテープでここに記しました図の通りに仕切りを作り、コートを完成させてください!
   あとは2チームで互いに打ち合い、自分のターンで相手のコートに入れられなかった方が負け!
   5点先取で勝ち抜き戦か総当たり戦かはおまかせします!』」

ロ「5点先取は指定なのに、どうして戦い方は自由なのかしら。変わった人ね」

最後のペアは組んでない相手ということで、必然的に

ウソップ・サンジ組、ルフィ・組、チョッパー・ゾロ組ということになった。

ナ「総当り戦なんて面倒だわ!勝ち抜き戦で行くわよ!!」

ゾ「あくまで独断なんだなお前は」

他人の意見は聞かない方向で。

ナ「よーし、これで最後よ!さっさと終わらせて頂戴!!」

ウ「いや、ちったァ楽しんでやれよ;;」

ピイィィー!!

サ「じゃァ、誰がシード権獲得するかだが…」

ル「じゃんけんで負けた奴にしよう!!」

『じゃーんけーん、ぽん!』

ル「よっしゃ、勝ったァー!!」

第一回戦。

ルフィ・組 VS チョッパー・ゾロ組

ル「あれー??なんでおれ達第一回戦出てんだァ??」

ヒ「勝ったからでしょうが!!!」

とりあえず、試合開始。

ゾ「羽根は普通みてェだが…」

そう言ってサーブを打とうとすると、持ったときの感触以上の負担が羽子板に掛かった。

ゾ「いッ…!!?」

そのくせ振りぬく時には軽くなっていて、お陰で必要以上に羽根が飛んでいってしまう。

ラインアウト。

ピイィー!

ロビンが得点板のルフィ・組のマスへ"1"と書き込む。

ル「お!?何でだか分かんねェが、おれ達のトコに入ったみてェだぞ!!」

ウ「ルール聞いとけ!!!」

ゾ「何だ…!?今のは…」

次のサービスは、ルフィの番だ。

ル「んじゃ、行くぞ!!」

スカッッ!!

ル「あれっっ!?羽根が消えたぞ!!?」

サ「外したんだよ!!!」

気を取り直してもう一度。

カコォン!

ル「うわ、軽いなァ〜」

力いっぱい振りぬいたルフィの羽根は、メインマストの柱に思い切りぶつかり、ラインアウトかと思われた。

が。

メインマストに思い切りはじかれた羽根はそのままチョッパーの目の前に、目にも止まらぬ速さで突っ込み、床に窪みを作った。

チ「うおォォーっっ!!?何だァ!!?びっくりした!!」

ヒ「る、ルフィ、いくらなんでも速すぎじゃない??」

ル「ん〜?でも持ったとき結構重かったからよ、あの羽根。あれぐらいかと思ったんだけどなァ??」

ゾ「重いか?妥当だろ、あれくらいで」

ル「いんや、重かった!」

そう言い合っている二人の傍で、チョッパーが羽根を持ってみると、本当に羽根そのものなんじゃないかというくらい軽かった。

チ「あれ??これすっごく軽いぞ??」

ヒ「どういうこと??チョッパーが重く感じて、ルフィが軽く感じるならまだしも…」

ロ「きっとこれこそが、この海域の効力ね」

サ「物の重さを変えるのか…」

ウ「えー!?んじゃ、まともな試合なんて、ろくに出来ねェぞ!!?
  まァ今までだって、出来た試しはねェが」

ナ「言っててもしょうがないわ、すぐに続けるわよ!!」

ゾ「鬼かてめェはっっ!!!」

仕方なくチョッパーのサービス。

とりあえず先程のサーブは、ルフィ・組の得点となった。

ゾ「チョッパー、ラインぎりぎりまで出て、とりあえず出来る限り弱く打つんだ」

チ「そ、そうか!それなら重くても軽くても相手ラインまで出せるな!」

ヒ「ルフィ、前の方に来る!」

ル「おう、任せとけ!!」

カコンッ!!

ル「ふんっ!!」

ぐいーっ。

カコンッ!!

ゾ「んがっっ!!!」

ル「あ、わりィ、ゾロ」

ルフィの打った羽根が、見事ゾロの顔面直撃。

ゾ「てんめェ…!!!」

ル「すんません;;」

ゾロがルフィの胸倉掴んでにじり寄るが、ルフィはひたすら顔を横に向けて謝罪。

しかもルフィ・組の得点になってしまったから何とも皮肉である。

これで3対0。

つづいてのサービス。

ヒ「とりあえず、普通に打ってみるか…」

カコンッ!

予想より重かった羽根は、飛んでいく途中で軽くなり、加速した。

チ「うおあっ、こっちきたっっ!」

カコンッ!!

勢いで思い切り打ってしまった羽根は、軽いまま跳ね返され、ラインの外側へ。

4対0。マッチポイントだ。

チ「ごめん、ゾロ…」

ゾ「お前だけのせいじゃねェ、気にすんな」

ル「ラッキーだなおれ達!!何とか4点取ったぞ!」

ヒ「このままいけばいいけど…」

そのの願いは、叶った。

ゾロのサーブで始まったラリーは、それなりの応酬を繰り返し、接戦の末、ルフィが中央ラインぎりぎりに羽根を入れたのである。

5対0で、第一回戦はルフィ・組の勝利となった。

ル「勝った〜ァ!!」

ヒ「はー、良かった…でもあともう一試合あるんだよね;;」

実践でコツを掴んだ方が勝つのか、はたまた体力を温存し、試合を見ながら作戦を立てた方が勝つのか!?

試合の行方は!?

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