休み時間に携帯を開くと、さんからだった。
『お昼一緒に食べない?』といういつもと変わらないお誘いメールで、
『食べます』と返事をした。
宙ぶらりん・2
一組集団が生徒会室へやって来ると、生徒会メンバーは既に揃っていた。
レミと桜はお昼の支度をしていて、仙石だけなにやら携帯をいじっている。
「何やってんだ?仙石」
「ん、いや、柳くん誘おうと思って」
携帯をカコカコいじりながら答えると、石川は突然携帯を掻っ攫った。
問答無用で電源ボタンを二回押して、メール作成画面を閉じる。
「なっ、何をするんだっっ!!」
「お前少しは空気を読めよ」
背伸びをして携帯を奪い返そうとする仙石に対して、石川は携帯を上に掲げてそれを阻止する。
「今日はちゃんと食べるんだって〜」
「野暮な真似は止しなさいよ、仙石」
そう言いながらユキと堀は席につく。
「あれ?二人って付き合ってるの??」
一人話についていけていない宮村。
事の次第を堀が簡単に説明した。
「が柳くんに告白して、友達からやり直して昇格を目指してるとこなのよ」
「あー、それじゃあ野暮だよ会長〜」
「宮村君には言われたくない!!」
「えぇ〜」
「やっほぅ!!!みんなお揃いっっ??」
相変わらずのハイテンションで井浦が生徒会室に飛び込んできた。
もちろんお昼もしっかり持参。
「ちゃんと柳くんだけ欠席〜」
「あー、あの二人はちょっと誘えないか〜」
「井浦君まで!!?何、俺一人だけ!?空気読めてないのは!?」
「んー、ちょっと仙石さんは空気読めてない節があるよね」
「井浦君に言われたくないんだけど」
「ちょっと仙石、うるさいわよ。いい加減座んなさいよ」
もう大バッシング。
「…―それでね〜、英語の時間に安田ったらさぁ〜」
「そうなんですか?」
一つの机に向かい合わせに座って、二人でとりとめもない話をした。
といっても、基本的に私が話をして柳くんが相槌を打つという調子。
「あ、今日一緒に帰ってもいい?」
「はい。あ、でも今日日直でした…」
「いいよ、待ってる」
以前とほとんど変化は無かったけど、一つあったとすれば、少し前より距離が縮んだ気がする。
それだけでも私は十分良かったかな、なんて思ったけど、やっぱり時々寂しくなったり。
私ってすぐ顔に出ちゃうのかな、寂しいと思ったときには決まって『大丈夫ですか?』と柳くんは声を掛けてくれた。
柳くんを困らせたくないのに。
どうしても私は顔に出るらしい。
そしてやっぱり、心配してくれる柳くんが、好きだなぁ、なんて自覚する。
"ともだちから"。
これは、その先を期待していい言葉なんだろうか。
友達から先があるかもって思うのは都合のいい考え?
断られてまでそう考えてたら、重い女だと思われちゃうのかな。
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